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子どもさんに否定されて傷つくことはありませんか?思春期の心理と向き合い方のヒント

こんにちは、
進路コーチのさゆりです。
 
思春期の子どもさんと向き合う中で
子どもさんの言葉に傷ついた経験はありませんか。
   
「お父さんのせいだ」
「お母さんのせいだ」
という言葉を子どもさんに言われ、
否定されたような気持ちになったことのある親御さんも
いらっしゃるかもしれません。
  
 
「志望校に入れなかったのは、お母さんのせいだ」
「お父さんが甘やかすからこうなった」
「もっと〜してくれていたらよかったのに」
「どうして〜をして育ててくれなかったの?」
  
 
日々一生懸命子育てをされている中で
このような言葉を言われてしまったら
傷ついてしまいますよね。
  
 
でも実はそれは親御さんの課題ではなく、
子どもさん自身の課題なのかもしれません。
 
 
  
この記事では、
子どもさんに否定されたときにできる捉え方について
具体的な心理学の知識と一緒にお伝えしていきます。
  

子どもさんとの付き合い方・向き合い方のヒントになれば
とても嬉しいです。
  
この記事は、以下のような方におすすめです。

  • 子どもさんの言葉に傷ついたことがある
  • 子どもさんの言葉を聞いて自分を責めたことがある
  • 子どもさんをサポートしたいと思っている
  • 子どもさんとの付き合い方を知りたい

目次

  1. 子ども自身の課題だと捉える
  2. お守りの心理学
  3.  2−1.アドラーの課題の分離
     2−2.アサーション

  4. まとめ

 
  

子ども自身の課題だと捉える

 
子どもさんは時として目の前の状況を
親御さんのせいにしたくなることもあるかもしれません。
  

「〜と親に言われたから、
自分はこうなってしまった…」
と感じたことのある子どもさんもいらっしゃるかもしれません。
  
このような感情に子どもさんがなっていたとしたら、
それは自立への大切な過程です。
  
中高生は、「自分」を持ち始めている時期でもあります。
  
どんな感情を選び、
どんな行動を選ぶかを
自分の責任として捉えていくのが
自立だと思います。
  

大切に育てている子どもさんから
否定されるような言葉を言われると
親御さんはショックかもしれません。
  

でも、このような子どもさんの感情は
子どもさんが自分自身の課題と
向き合おうとしているときに
出てくる感情でもあります。

  
つまり、自立の大切な過程なのです。
  
 
自分の心を守り、楽になるために
親御さんのせいにしたくなることがあります。
   

子どもさんが何かを親御さんのせいにしたくなっているときは
”投影”が起こっている可能性があります。
  

投影とは、自分自身を守るために備わっている
心理的な反応(防衛規制)のことです。
  
受け入れたくない性質を持つ自分と
向き合うショックから自分を守るために、
自分の性質を他の人に投影することがあります。

子どもさん自身が向き合うことのできていないことを
親御さんに投影してしまっているのです。
  

子どもさんに否定されてしまったら
「今投影が起こっているんだな」という可能性も
頭の片隅においておいて欲しいと思います。

  

子どもの声も受け止めることももちろん大切です。
でも、親御さんが「自分の子育てが悪いんだ」と
一人で自分を責め、抱え込んでほしくないと思うのです。
  

  
私も10代の子どもの頃、
親に対して思っていることがたくさんありました。
  
「もっとこうしてほしい」という思いがたくさんありました。
  

自分の都合の悪いことは
すぐに親のせいにできてしまうのに
普段親がしてくれていることに有難みを感じず
当たり前のように受け取ってしまっていました。
   

でも、「人のせい」ということ自体
本当は存在しないのではないでしょうか?
  

誰かのせいというのは、一つの視点にすぎません。
  

子どもさんが何かを親御さんのせいにしている場面があっても、
それは受け入れられない何かを
親御さんのせいにしているだけかもしれません。
  
自分に対するイライラの感情を
親御さんに向けているかもしれないのです。

  

 
例えば、このような場面があります。

「『ずっと勉強しなさい』と親から
言われてきたから勉強してきた。
本当はもっと遊びたかったのに。
親のせいで全然遊べなかった。」
  
「親に言われた学校に進学したけれど
本当は行きたくなかった。親のせいだ。」
  

でも、子どもさんは
自分と向き合うこともできるはずです。
自分の意思を親に伝えるという
子ども自身の課題でもあるのです。

  
どんな感情を選び、
どんな行動を選んでいくかは
子どもさん自身が決められます。
  
つまり、子どもさんには
親と向き合う勇気が求められているのです。

  
 

お守りの心理学

2-1.アドラーの課題の分離

  
ここまでは、子どもさんが親御さんを否定したとき、子どもさん自身の課題と捉えるというお話をしてきました。
  
ここからは、親御さんが使える心理学のご紹介をします。
  
お守りのように
皆さんの日常の中に
身近に置いていただけると嬉しいです。
  

1つ目は、アドラーの課題の分離です。
  
親が介入して解決できる問題でない場合は、
子どもの課題として、課題の分離を行おうという考え方です。
  

例えば、家で宿題をせず過ごしている子どもさんがいたと仮定します。
  
親御さんはその様子を見て
イライラしてしまったり
自分の力不足を嘆いてしまったり
することもあるかもしれません。
  
時には、宿題を終わらせないといけないと感じ、
一緒に宿題をされることもあるかもしれません。
  
学校の先生に伝えて、もっときちんと指導してもらわなきゃいけないと
担任の先生に電話を入れることがあるかもしれません。
  

でも、宿題をしないというのは親の課題ではなく、
子どもさんに行動の主体があります。

  
つまり、子どもさんの課題なのです。
  

その課題に親御さんが介入しても
子どもさん自身の課題解決は難しいです。
   

介入することで、周りの大人の神経が
ただすり減ってしまうだけかもしれないのです。
   
介入しても仕方がないと思ったら
課題の分離をすることが大切です。
  
課題の分離をしないと
親御さんがストレスを抱え、疲れてしまうことがあるからです。
  

そんなときは、子どもさん自身に責任を渡してほしいと思います。
  
子どもさん自身が成長している過程だからこそ
子どもさん自身が考えることのできる機会をもってほしいと思います。

  

どこまで子どもさんの課題に介入するかという線引きは必要です。
  
 
心理学の三代巨頭の一人でもあるアドラーが言うように
『嫌われる勇気』を持って
介入しても仕方のないことと考えることが大切です。
  

実は、課題の分離は親御さんが
自分自身を大切にすることにつながっています。
  
ご自身のことを大切にしてほしいなと思います。
  

子どもの課題だと分かってはいても
介入したくなってしまうことが
もしかしたらあるかもしれません。
   
介入しないことは原則ですが、
何かを伝える必要があるときは
アイメッセージを使うことが大切です。
  

アイメッセージとは、
「私」を主語にして
自分の考えを伝えること
です。
  

先ほどの宿題の例で言うと
「私は、宿題をした方がいいと思っているよ。
あなたがどう思っている?」
  
あくまでも子ども自身に選択権があるということを伝え
私を主語にして自分の考えを伝えることが大切です。

  

 

2-2.アサーション

  
ここでもう1つ、
皆さんにお守りの心理学をご紹介したいと思います。
   
2つ目の心理学は、アサーションです。
  

アサーションとは、「相手にも配慮した自己主張」を意味するassertivenessがカタカナ化したものです。
   
感情をそのままぶつけたり、
感情を押し殺したりするのではなく、
相手の気持ちを尊重しながら
自分の気持ちや意見を
誠実に、素直に、対等に表現すること

意味します。
   
性格を変えるのではなく
あくまでも伝え方を変えるという
スキルや考え方のことを指します。
   
主張の仕方は、3つの型に分類することができます。
<子どもさんが宿題をしないという場面>を取り上げて
それぞれの型をご紹介します。
   

1つ目は、アグレッシブ(攻撃型)です。
 
攻撃型は、主張が押し付けがましく、他者への配慮が置き去りになりやすいです。
   
攻撃型で宿題の場面を考えると
「宿題をしなさい。なんでやらないの?」
というような主張が考えられます。
   

2つ目は、ノンアサーティブ(非主張型)です。
 
非主張型は、あなたにこうしてほしいというリクエストをせず
主張をしないという特徴があります。

  
非主張型で宿題の場面を考えると
「自分の育て方が悪かった」
「しっかり教育できていない自分の責任だ」
「こうなってしまったのは仕方ないことだ」
というような例が考えられます。
  

3つ目が、アサーティブ(中立型・バランス型)です。
  
中立型・バランス型は、前述の通り
感情をそのままぶつけたり、
感情を押し殺したりするのではなく、
相手の気持ちを尊重しながら
自分の気持ちや意見を
誠実に、素直に、対等に表現することを意味します。

    
中立型・バランス型で宿題の場面を考えると
「私は宿題をやってほしいと思っているよ」
というような「私」を主語にした主張が考えられます。
  
先ほどお話ししたアイメッセージがアサーションでは大切になってきます。
  

また、DESC法というアサーティブな伝え方があります。
 
以下の流れの伝え方をあらかじめ準備しておくという方法です。

D:描写する
E:表現する
S:提案する
C:結果を伝える

 
D:描写する
ここでは客観的な事実を描写します。
  
「最近遅くまでゲームをやって、それから宿題にとりかかっているね。」
  
E:表現する
  
「ゲームをやりたいのはわかるけど、宿題やる時間が遅くなって
それで眠たい状態で夜な夜な宿題をするのは
お母さんは、あなたの身体が心配になってしまうんよ。」
  
S:提案する
 
「必ずやらないといけない宿題を先に済ませることをしたらどう?」
 
C:結果を伝える

YESの場合 → 「ありがとう。宿題を先に済ませてから、安心してゲームできるし、寝る時間も確保できるね。」
 
NOの場合 → 「じゃあ、せめてゲームやる時間を決めるのはどう?」
 
 
といった形で、話し合いの方向を考えておきます。 
 
 

まとめ

  
この記事では、
子どもさんに否定されたときにできる捉え方について
具体的な心理学の知識と一緒にお伝えしてきました。
   
子どもさんが親御さんを否定するような言葉を使ったとき、
それは親御さんではなく、子どもさん自身の課題でもあること、
また、そのとき投影が起こっている可能性があることをお話ししました。
   
子どもさん自身に、「親と向き合う勇気」が求められていることに触れました。
  
そして、後半では、親御さんが使える心理学のご紹介をしました。
  
 

1つ目は、アドラーの課題の分離です。
  
親が介入して解決できる問題でない場合は、
子どもの課題として、課題の分離を行おうという考え方です。

  
何かを伝える必要があるときは、
アイメッセージを使います。
  

2つ目は、アサーションです。
  
アサーションとは、相手にも配慮した自己主張です。
  
「私」を主語にして自分の気持ちを相手に伝えるところがポイントです。
  
お守りとして、親御さんの日常の近くに
置いておいてもらえると嬉しいです。
   
子どもさんが親御さんを否定するような場面はもしかしたらあるかもしれません。
  

でも、子どもさんの言葉として表れていない感情もあると思います。
  

普段、一生懸命育ててくださっている親御さんに対しての
感謝の気持ちは、言葉になっていないこともあるのではないかと思うのです。
  

一生懸命育ててくれていることに感謝していること
私の子ども時代の経験からお伝えしたいです。
  

私の母はシングルマザーで私を育ててくれました。
祖父母の協力も得ながら、私を育ててくれました。
   
母は自分の仕事に熱中して、勉強に励んでいました。
「自分のやりたいことをする」という背中を私に見せてくれました。

  
そんな母にとても感謝していて、
当時は色々なことを言われましたが、
全部自分の糧になっています。
  
傷ついたこともたくさんありましたが、
今の自分につながっていると思っています。
  
お母さん、ありがとう。
  
心の底からそう思っています。
  
この記事が子どもさんとのコミュニケーションのヒントになることを
心から願っています。
 
 

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